胃・十二指腸潰瘍の治療法について

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の基礎知識

日本人の場合は十二指腸潰瘍よりも胃潰瘍の方が多く、この特徴は西欧諸国とは逆パターンです。

どちらかというと発展途上国と同じグループになります。

胃潰瘍を患う主な年齢層は中高年層です。

けれども十二指腸潰瘍はもう少し若い層になります。

ピークは三十歳代です。

十二指腸潰瘍も胃潰瘍も男性に多く見られる疾患です。

では潰瘍の成因と誘因についてご説明します。

成因に関しては従来は【胃粘膜を攻撃する因子と胃粘膜を防ごうとする因子のバランスが乱れて破綻した場合に発生する】という見方でした。

けれども近頃では【潰瘍の発生にはピロリ菌が関係している】という説がでてきて有力視されています。

潰瘍の誘因については「疲労」「ストレス」「食生活の乱れ」「不規則な生活」「性格」「体質」だと指摘されています。

十二指腸潰瘍と胃潰瘍の症状はほとんど同じです。

「不快感」「重い感じ」「みぞおちの痛み」です。

一般的には、空腹時になると上記のような症状が出てきて、食事をして満腹になると楽になるのです。

人によって個人差はありますが食事をした後、すぐに痛みを感じることもあります。

とりわけ十二指腸潰瘍は夜中に痛みだしたり、食後暫くして痛くなることが多いです。

ゲップや胸焼けするのは胃酸が多く出るためです。

これ以外には「嘔吐」「吐き気」も見られます。

潰瘍から出血した場合はコーヒー色の吐血やコールタールのような下血が見られます。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療方法

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療方法は4つが基本です。

(1)心と身体の安静(2)不規則な生活の改善(3)食事療法(4)薬物療法です。

日常誠意克つで改善するべき事はつぎのような点です。

・喫煙
・精神的な過労や肉体的な疲労
・睡眠不足
・不規則な食生活
こういった点にこころあたりがあるならばすぐに改善しましょう。

<食事療法>については消化が良く栄養がありバランスのとれた食生活を目指しましょう。

まずは控えた方がよい料理です。

・東南アジアやインドに多くみられる香辛料をふんだんに使った料理。

・韓国料理や中華料理などの辛い料理。

・揚げ物(消化がわるいです)
・コーヒーや煙草などの嗜好品(胃酸の分泌を刺激して胃粘膜を攻撃する因子が増加します)
・アルコール(胃酸の分泌を高めます)
・炭酸飲料やビール(胃壁をふくらませて胃酸分泌を刺激します)

次に望ましい食べ物です。

日本国内では「豆腐」「うどん」「そば」がお薦めです。

海外の場合は、「ヨーグルト」「チーズ」「卵」「牛乳」「コーンフレーク」「パン」です。

<医師が行う薬物療法>を説明します。

(1)攻撃因子を抑制する薬(2)防御因子を増強する薬
このふたつの薬を併用するのが一般的です。

(1)攻撃因子を抑制する薬は「一般の制酸薬」「精算効果が高いヒスタミン受容体指抗薬(H2ブロッカー)」「プロトンポンプ阻害薬」のいずれかです。

(2)防御因子を増強する薬は「組織の修復を増進する薬」や「粘膜を保護する薬」です。

疾病の誘因としてストレスがある場合は「精神安定剤」を処方することもあります。

またピロリ菌を殺す目的の抗生剤を投与するケースもあります。

これらの薬は日本では健康保険適用外です。

自費による自由診療か特定の医療機関での治験治療のみです。

欧米やオセアニアでは一般的なのが「抗生剤併用療法」です。

手術などの外科的治療は薬物療法の進歩により、ほとんど実施されていません。

手術があるのは治癒しにくい潰瘍だったり繰り返し潰瘍ができて食べ物の通過障害がみられる場合のみです。